Column ・ 2026.06.02
第2回 PowerFLARMをどこに付ける? — RAMマウントで広がる搭載の自由度
江副 浩 / ezoe.net ・ 2026年6月
PowerFLARM Flex を手に入れて、初期設定が終わったあと——多くの人が次にぶつかるのが「これ、機内のどこに固定すればいいの?」という問題です。
結論から言うと、PowerFLARM Flex は 本体底面のネジ穴がそのまま RAM マウントに使えるため、搭載位置の自由度がとても高いデバイスです。今回は、その RAM マウントという仕組みを軸に、「付けて → レンジアナライザーで確かめて → ずらす」を繰り返しながら最適な搭載位置を追い込んでいく流れを紹介します。
取り付け場所が、受信性能をそのまま左右する
FLARM は 922.4 MHz 帯(日本)の電波と GPS の両方を扱う装置です。どちらも「アンテナがどこを向いているか」「周囲に金属やカーボンの遮蔽物がないか」で、受信できる範囲が大きく変わります。
- アンテナの向き — FLARM のアンテナは垂直に立てたときに水平方向のカバレージが最も良くなります。寝かせて置くと真横の機体が見えにくくなります。
- 遮蔽物 — カーボン製の胴体、計器盤の金属、バッテリー、自分の身体——これらの裏側はどうしても「影」になります。
- GPS の視界 — キャノピー越しに空がよく見える位置ほど測位が安定します。
つまり「とりあえず空いている場所に置く」のではなく、機体ごとに最適な一等地を探す価値があるということです。そして、その一等地を探すための物理的な土台になるのが RAM マウントです。
本体底面のネジ穴 = RAMマウントへの入口
PowerFLARM Flex の底面にはネジ穴が開いています。このネジ穴は、RAM マウントのボール台座を取り付けるのにちょうど合う仕様になっています。
ここに RAM マウントの「ボール」を取り付けてしまえば、あとは RAM マウントの世界の話です。ボール&ソケットの組み合わせ次第で、機内のほぼどこにでも——角度自由で——固定できるようになります。
RAMマウントという仕組み — ボール&ソケットの自由度
RAM マウントは、「ボール」「ソケット付きアーム」「ボール」の3つを基本パーツとする、世界中で使われている定番のマウントシステムです。両端のボールを、真ん中のソケットアームで挟み込んで締めるだけ。ボールは球関節なので、角度を無段階に調整できます。
- 片方のボール → PowerFLARM 本体側(底面ネジ穴に固定)
- もう片方のボール → 機体側の土台(パイプマウント、面ファスナー台座など)
- 真ん中のアーム → 2つのボールをつないで、好きな角度・好きな長さで固定
この「ボール&ソケット」の構造のおかげで、本体を垂直に立てたまま、土台はどんな向きでもOKという芸当ができます。アンテナの向きを最適に保ったまま、設置場所だけを自由に動かせるわけです。
同じボール規格から、無数のバリエーションへ
RAM マウントの本当の強みは、「ボールのサイズ規格さえ合っていれば、どのパーツとも自由に組み替えられる」という拡張性にあります。代表的な RAM-B-238U(1インチボールのダイヤモンドベース)を起点に RAM Mounts のラインナップを眺めてみると、まったく同じボール規格のまま、実に多彩なマウントへ発展できることが分かります。
- レール/パイプクランプ — 操縦席のフレームや丸パイプにしっかり共締め
- ネジ留め・ダイヤモンドベース — 計器盤や構造材に直付け(
RAM-B-238Uはこのタイプ) - 粘着・面ファスナーベース — 穴あけ加工をしたくない場所に
- U ボルト/ハンドルバーマウント — 丸パイプに巻き付けて固定
- 各種長さのソケットアーム — 短い直結タイプから、取り回しの効く長いアームまで
最初に本体側のボールさえ用意してしまえば、機体側の土台は後からいくらでも選び直せます。「この機体ではパイプクランプ、別の機体ではネジ留めベース」といった使い分けも、ボール規格が共通なので自由自在。RAM マウントの世界に一歩入ると、設置の選択肢が一気に広がります。
つまみネジで「サッと外せる」搭載にする
FLARM 本体は、飛行のたびに機体へ載せ、降りたら持ち帰る——という運用をする方も多いはずです。そこでおすすめなのが、本体底面のネジを工具不要で回せる「つまみネジ」にしておくことです。
底面ネジ穴に合う M4 × 10mm のつまみネジを使えば、ドライバーを取り出さずに指先だけで本体の付け外しができます。毎フライト前後の手間が、これだけでぐっと軽くなります。
操縦席側の土台 — しっかり固定できるタイプを選ぶ
機体側(土台側)は、飛行中の振動や G でズレない、確実に固定できるタイプを選ぶのが基本です。操縦席まわりのパイプやフレームに共締めできるパイプマウント(クランプ式)が定番でおすすめです。
また、設置したい場所と本体の距離に応じて、アームは長いタイプもあります。計器盤の奥や、少し離れた位置に本体を持ち出したいときは、長めのアームを選ぶと取り回しが効きます。
レンジアナライザーで「いちばん飛ぶ場所」を追い込む
RAM マウントの本当の価値は、「位置を簡単に変えられる」ことにあります。これを活かして、FLARM Hub のレンジアナライザーを見ながら、最適な搭載位置を試行錯誤で探していきましょう。
手順はシンプルなループです。
- RAM マウントで、まずは候補の位置に本体を取り付ける
- その状態で飛び、フライト後にレンジアナライザーで 360 度のカバレージを確認する
- 受信が弱い・欠けている方角があれば、本体の向きや位置を少しずらす
- レンジアナライザーのデータをリセットして、また飛んで確認する
- これを繰り返し、全方位がムラなく伸びる「一等地」を見つける
「一度付けたら終わり」ではなく、レンジアナライザーという客観的なデータを見ながら、自分の機体だけの最適解を探す。RAM マウントの自由度は、そのための強力な道具になります。
まとめ
PowerFLARM Flex の搭載は、RAM マウントを起点に考えると一気に自由になります。
- 底面ネジ穴は RAM マウントの入口:ここに RAM ボールを付ければ、機内どこにでも固定できる。
- ボール&ソケットで角度自由:本体を垂直に保ったまま、土台はどんな向きでもOK。
- M4×10mm つまみネジで着脱ラクラク:工具なしで本体だけ持ち運べる。
- 土台はしっかり固定タイプを:操縦席のパイプマウント+必要なら長いアーム。安全第一で確実に。
- レンジアナライザーで追い込む:付けて・飛んで・確かめて・ずらす。このループで一等地を見つける。
用意するもの(参考リンク)
以下は、編集部で実際に使っている/参考にしている製品例です。お使いの機体や設置場所に合わせて選んでください。
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① FLARM 本体下部に取り付ける RAM ボール・ジョイントPowerFLARM 底面のネジ穴に固定する RAM マウントのボール台座。ここが搭載の起点になります。Amazon で見る
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② M4 × 10mm つまみネジ工具不要で本体を着脱できるようにするためのネジ。毎フライトの付け外しが楽になります。Amazon で見る
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③ パイプマウント(操縦席固定用)操縦席まわりのパイプ・フレームにしっかり固定できるクランプ式マウント。確実な固定におすすめ。Amazon で見る
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④ 長いアーム(ロングタイプ)設置場所と本体の距離をかせぎたいときに。取り回しの自由度が上がります。Amazon で見る
参考・関連情報
本記事は PowerFLARM Flex の搭載に関する一般的な手順・考え方をまとめたものです。実際の取り付けにあたっては、各製品の適合・耐荷重と、機体側の改造可否(必要に応じて整備士・所属クラブへの確認)を必ずご確認ください。
- PowerFLARM Flex 初期セットアップ手順(当サイト) — PowerFLARM-Setup.html
- レンジアナライザーでのカバレージ確認(当サイト) — PowerFLARM-Setup.html#step8
- FLARM Technology 公式 — https://www.flarm.com/
- RAM Mounts 公式 — https://www.rammount.com/
